今回はRaspberry Piの紹介をしたいと思います。Raspberry PiはARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータです。
ハードウェアの仕様
以下簡単なハードウェア仕様のまとめ。
モデル | Model A | Model B | |
---|---|---|---|
価格 | $25 | $35 | |
CPU | ARM11 ARM1176JZF-S core | 同じ | |
メモリ | 256 MB | 512 MB | |
GPU | Broadcom VideoCore IV,OpenGL ES 2.0, OpenVG 1080p30 H.264 high-profile encode/decode | 同じ | |
ストレージ | SDメモリーカード / MMC / SDIO カードスロット | 同じ | |
USB2.0 | 1ポート | 2ポート | |
ビデオ出力 | コンポジット(RCA) / HDMI | 同じ | |
音声出力 | 3.5mmジャック / HDMI | 同じ | |
LAN | なし | 10/100M 有線Ethernet | |
その他インターフェイス | GPIO / SPI / UART | 同じ | |
電源 | 500 mA | 700 mA | |
電源ソース | 5V MicroUSB Type B or GPIO | 同じ | |
サイズ | 85.60 mm ×53.98mm | 同じ |
ソフトウェア
OSはDebian(wheezy)ベースのもの、Arch Linux、RISC OSなどが動きます。ダウンロードはここから。
購入先
ここで購入しました。私が入手した際は1ヶ月以上待ちましたが、今はどうなってるのやら。
インストール
書き込み作業の際、ディスクの指定を誤るとシステムデータが飛ぶ可能性があるので、気をつけてください。
OSのダウンロード
インストールするOSのイメージを上記のページからダウンロードしておきます。今回はDebianベースのRaspbian “wheezy”(2012-12-16-wheezy-raspbian.zip) を利用しました。~/Downloads/
(デフォルトのダウンロードフォルダ)に保存しておきます。
SDカードの準備
OSをインストールするためのSDカードを用意します。OS自体は2GB程度なので、最低4GB程度の容量があれば大丈夫ですが、色々とソフトをインストールする場合を考えると、8GB程度あれば問題ないと思います。インストールの際、カード内の全データが消去されます。
SDカードへの書き込み。
今回はMacOSXで作業しました。Unix系のOSならおそらくほぼ同じ方法でできるはず。最初にSDカードのデバイス名を調べます。SDカードを接続する前に、以下のコマンドを実行します。
$ df -h
次にSDカード接続後に同じコマンドを実行します。私の環境の場合、SDカード名は/dev/disk1s1
になっていました。次にSDカードをアンマウントします。
$ umount /dev/disk1s1
ダウンロードしたOSのイメージがあるところへ移動し、ddコマンドを実行。この際、デバイスの指定は/dev/disk1s1
=> /dev/rdisk1
のようにrawデバイスを指定します。
$ cd ~/Downloads
$ dd sudo time dd bs=1m if=2012-12-16-wheezy-raspbian.img of=/dev/rdisk1
これでOSの入ったSDカードの準備ができた。
起動
Raspberry Piに先ほど準備したSDカード、モニタ、キーボード、LAN、その他デバイスを接続し、USBポートまたはGPIOから電源を供給して起動します。電源供給と同時に起動するので、電源の接続は最後にしてください
初回のみ、設定画面が表示されます。項目は以下の通りです。
・info
このツールの情報の確認。スルーして問題なし。
・expand_rootfs
デフォルトではSDカードのうち2GB程度しか使用していません。
全領域を使用するようにここで設定出来ます。設定後、要再起動。
・overscan
テレビに出力する場合、画面周囲がきちんと表示されない場合があります。
その際、ここで周囲に余白を設定することで、正常に表示できるようになります。
・configure_keyboard
キーボードの配列の設定。
日本語配列、US配列、使用しているキーボードに合わせて設定。
・change_pass
デフォルトのユーザである’pi’ ユーザのパスワードの変更。
自分のパスワードに変更しておくべき。
・change_locale
ロケールの設定。
日本語フォントが入っていないので、UTF-8に設定しても日本語は文字化けする。
とりあえずデフォルトのままで問題ない。
・change_timezone
時間の設定。日本は”Asia”の”Tokyo”を指定すればよい。
・memory_split
GPUどれだけメモリを割り当てるか。通常はデフォルトのままで問題ない。
・ssh
sshを利用してリモートログインする場合”Enable”を指定。
設定しておけば別マシンから開発できる。
・boot_behaviour
”Yes”を選択すれば、最初からGUIな画面で起動する。
CUIで起動して、startxするのが面倒くさいなら”Yes”に。
・update
この設定用ツール raspi-config のアップデート。
これで最低限の設定は終わりです。もし、再設定したいならコンソールから
$ sudo raspi-config
を実行することで、いつでも再設定出来ます。
使用した感想
私が買ったのは$35のモデルです。
想像以上に高性能です。コンソールから使う分には特に不満なし。
軽い開発なら実機のみでそれなりにできそう。
低消費電力なのでサーバー用途に良さそう。
GPIO / オーディオ出力 などいろいろ遊べそう。
なかなか遊びがいのあるおもちゃですね。